ビジネス用のモバイルアプリで生産性を改善
ビジネス用モバイルアプリについて、どこから手をつけましょうか? モバイル戦略の準備が最初のステップです。戦略について考えることで、モバイルが生産性を改善したり、コストを削減したりすることができるビジネス活動の分野を特定することができます。戦略により、優先順位をつけることもでき、企業は最善な投資利益率(ROI)を提供するモバイルソリューションを実装することができます。LongRange を使用して作成されたモバイルアプリはモバイルデバイスのストレージを使用することができ、ネットワークに接続しているときにはオンラインで実行、ネットワークが使用できない場合にはオフラインで実行することができます。これらの機能を使用することで、社員が企業ネットワークや公共ネットワークに接続できない際にデータを使用することができるビジネスプロセスを整備することができます。通信が使用できない際に移動の多い社員の生産性が下がることで悩む必要はなくなります。このセクションでは、モバイルアプリによりメリットを得ることができるビジネスプロセスやアクティビティを提案します。
モバイルアプリに適したビジネスプロセスの例:
- 注文の状態、配送状況、在庫品状況、価格、値引きを確認するための注文照会
- 発注の作成、承認待ち状態の発注の確認、コメントや手順の追加、発注の承認/却下などの発注タスク
- リアルタイムデータに基づく情報分析照会
- 経費の入力、経費の承認申請、管理者承認、申請への質問などの経費申請タスク
- 社員のタイムシート.
- 請求: 準備、発行、承認、入金管理
なぜモバイルなのか
なぜモバイルデバイスのアプリが必要なのか?
モバイル性とは、いつでも、どこからでもアクセスできることを意味しています。これにより労働時間に新たな側面が追加され、顧客、パートナー、サプライヤーと企業のと関係、協調、連携に柔軟性を提供します。
モバイルデバイスの機能の発展とタブレットの登場は、情報技術における最速のイノベーションの一つです。モバイルデバイスの登場とその世界的な広がりは、顧客のビジネス行動、期待を変えました。
モバイルデバイスの普及は、企業が顧客とやり取りする方法、社員に情報を提供する方法を変えました。顧客はいつでも、どこからでも、モバイルデバイスから企業とビジネスを行うことを期待しています。多くの社員は、会社支給のモバイルデバイスを携帯するのではなく、彼ら自身のデバイスを使用することを好みます。
企業はモバイルデバイスを支給するか、自身のデバイスの使用を許可することで、社員の生産性を上昇させることができます。人々はどこに行くにもモバイルデバイスを持っていき、デバイスを使用して電子メールやソーシャルネットワーキング、メッセージのやりとりを行なったり、音楽を聴いたりすることに抵抗を感じていません。社員は空港のラウンジでの待ち時間などの空き時間を利用して、メールをチェックしたり企業のデータにアクセスしたりすることができます。社員が情報にいつでもアクセスできる場合、顧客の質問に回答したり、顧客の注文を追跡したりすることを、より迅速に行なうことができます。同様に、企業はモバイルデバイスからの注文や製品情報へのアクセスを許可することで、顧客との関係をより良くすることができます。顧客はいつでも好きな時に製品カタログを見て商品を購入することができます。
重要なのは、企業にこれを実現するモバイルアプリが必要だということです。
なぜ LongRange なのか
LANSA はIBM i ( System i、iSeries、AS/400) の開発者コミュニティがモバイルデバイスユーザーにアプリを迅速に、最小限の努力で提供することができるように、LongRangeを作成しました。LongRangeを使用して構築されたアプリは既存のアプリケーションやビジネスプロセスと簡単に統合することができます。開発者は生産性を維持することができるため、費用は安価であるといえます。
ビジネス用のモバイルアプリを素早く簡単に構築
多くの企業には、モバイルデバイスのアプリを構築、配布するプロジェクトに着手する技術と人的資源が足りません。基幹業務のアプリケーションを構築する経験豊かな開発者たちは、モバイルデバイスのアプリに使用されるアーキテクチャ、設計のコンセプト、開発ツールのパラダイム・シフトに直面しています。LongRange はIBM i 開発者がモバイルアプリの開発者に変身するための近道です。
モバイルデバイスのアプリを開発するには、いくつかの方法があります:
- モバイルデバイスのブラウザで見るWeb サイト
- モバイルデバイスのブラウザで見るために最適化されたWeb サイト
- ハイブリッドモバイルアプリ
- ネイティブモバイルアプリ
- LongRangeを使用して構築されたネイティブモバイルアプリ
それぞれの方法には構築に時間と労力が必要であり、使い勝手やパフォーマンスなど、それぞれ違ったレベルのユーザーエクスペリエンスを提供します。下の図は、異なるタイプのモバイルデバイスのアプリを比較したものです。横軸は開発にかかる時間と労力、縦軸はユーザーの使い勝手やモバイルデバイスでのアプリのパフォーマンスなどを示します。
LongRangeを使用してビジネス向けのモバイルアプリを開発すると、Webやネイティブアプリより時間が掛からず、アプリはネイティブアプリと全く同じように稼働します
モバイルデバイス向けに最適化されていないWebサイトを、モバイルデバイスのブラウザを使用して見ることは、簡単なタスクですが、デバイスの画面上でページ全体を見るにはユーザーが表示部分を動かす必要があり、使い勝手には疑問が残ります。通常Webサイトはモバイルデバイスのハードウェアにはアクセスしません。モバイルデバイス向けに最適化されたWebサイトでは、最適化されていないWebサイトよりは改善されたユーザーエクスペリエンスを提供します。それは、ページデザインが画面の大きさを考慮しているからです。しかしながら、これらのWebサイトにはより小さい画面に内容がフィットするようにアレンジしたり、モバイルデバイスのハードウェアにアクセスする方法を提供する必要が出てきます。ハイブリッドWebアプリはネイティブアプリとWebアプリを組み合わせたもので、
ネイティブアプリがWebアプリのコンテナの役割を果たします。コンテナがモバイルデバイスのハードウェアとのインターフェイスをし、ハイブリッドアプリがハードウェアの機能を使用できるようにします。開発者はHTML、CSS、JavaScriptを使用してWebサイト、モバイルデバイスに最適化されたWebサイト、ハイブリッドアプリを作成することができます。
ネイティブアプリは最もよい使い勝手、パフォーマンス、ユーザーエクスペリエンスを提供します。しかしながら、ネイティブアプリの構築には、他の方法よりも時間が掛かります。開発者はデバイス専用のツール(C#、Java、Objective-C)を使用して、サポートしたいモバイルのプラットフォーム(Apple iOS、Google Android、RIM Blackberry 、Microsoft Windows Phone)ごとにアプリを作成しなくてはいけません。
RPGやCOBOL、CLの開発者は、ネイティブモバイルアプリを構築できるようになる前に、これらの新しいプログラミング言語を学ぶ必要があります。同様に、モバイルデバイス用のWebやハイブリッドWebアプリを構築するためにはHTML、CSS やJavaScript を学ぶ必要があります。これには研修費用を負担しなくてはいけなかったり、開発者が新しいツールや言語の癖に慣れるまでの間、開発者の生産性が下がったりします。
LongRange を使用すると、開発者は既存の開発ツールや技術を使用し、生産性を維持したまま、複数のモバイル・プラットフォームで稼働するネイティブアプリを構築することができます。
投資費用の早期回収と低い総所有コスト
LongRange を使用すると、開発者はモバイルデバイスの技術ではなく、ビジネス要件に集中することができる為、結果志向プログラミングを促進します。つまり、特にモバイルデバイスのアプリケーションの開発をしたことがない会社にとって、モバイルアプリの総所有コストは実現可能なものになります。
- 新しい技術は必要ありません。既に知識のあるRPG/COBOL/CLだけが必要です。
- 短時間での実用化 – 設計、プログラミング、複数のモバイル・プラットフォームへのネイティブ・アプリの配布の時間を確実に削減します:
- サーバー上でRPG/COBOL/CL を使用。モバイルデバイス側にプログラミングは必要ありません。
- 同じRPG/COBOL/CL プログラムでiOS と Android の両方のデバイスに対応します。
- ネイティブ・アプリのユーザー・インターフェースが色々な画面サイズ(タブレットやスマートフォン)に合うように自動的にサイズや表示方法を変更します。
- 低い総所有コスト – 使いなれた開発技術を使ってネイティブ・アプリの保守・拡張を行なうのは、今日と同じように将来にわたっても簡単であり続けるでしょう:
- 特別なモバイル・アプリ開発スキルを持った開発者を雇い、研修を実施し、保持し続ける追加費用が発生しません。
- 複数のモバイル・プラットフォームをサポートする、RPG/COBOLやCLのソースコード一式だけを保守すればよいのです。
- 投資費用の早期回収 – リッチなユーザー・インターフェースの使いやすいネイティブ・アプリを素早く提供し、ユーザーの生産性を向上させます:
- 保守費用の削減 – 各モバイルデバイスをサポートするのに、複数のバージョンのプログラムを開発したり、プログラムを変換する複雑なクロスプラットフォーム・ツールを使用する必要はありません。
- 開発者の学習曲線を最小化 – モバイル用のプログラミングを学ぶ必要はありません。
LongRange を使用すると、企業はモバイルデバイスのアプリを素早く開発、配布できます。開発を徐々に段階的に行なうことで、実用化までの時間を短くすることができます。
実際の事例
JPMorgan Chase | Chase の銀行アプリを使用すると、顧客は画像を取って電子メールを送ることで、残高の確認をすることができます。 |
Walgreens | Walgreens はモバイルユーザーがモバイルサイトで行いたいことを提供しています。すなわち、店舗検索、処方薬の再処方、モバイルショッピング、クーポンの入手などです。結果として、Walgreens はモバイルを使用した処方薬の再処方において、大きなシェアを占めるようになりました。二百万以上の人がテキストメッセージのアラート機能を使用しており、また、顧客は店の中で、クーポンを探すことができます。 |
Wal-Mart | Wal-Mart のアプリでは、ユーザーが音声入力、文字入力、バーコードスキャンにてショッピングリストに項目を追加することができます。また、価格を表示したり、最寄りの店舗で入手可能かを調べたり、一部の店舗では、商品がどの通路にあるかまで表示することができます。 |
ビジネスプロセスおよび業界別の例
LongRange はモバイルデバイスからアクセスしたいと願うユーザーのどのビジネス活動にも適用できます。以下のビジネス活動、プロセス、管理タスクはモバイルデバイスにて行う業務の候補です。
ビジネス活動 | LongRange アプリができること |
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資産管理 | 資産管理の監査において、監査を行う人は各資産を確認、バーコードをスキャン(それにより資産が存在することを確認)し、位置・ユーザー情報を更新、資産の物理的な状態についてメモを残すことができます。 |
コンサルティング | コンサルティング企業の社員は、顧客先にて製品やマーケティング情報、手順書にアクセスすることができます。 経費申請を作成して申請したり、タイムシートや休暇申請を提出したりするなど、社内サービスにもアクセスすることができます。 |
配送、流通 | 配送、ルート、顧客詳細などの情報にモバイルアプリでアクセスすることが可能です。ドライバーは電子署名をもらい、配送報告を行います。モバイルデバイスでLongRangeを使用すれば、配送車両に専用の配送用端末を置く必要がなくなります。 |
保険申請 | 保険申請の審査を行う人は、LongRangeアプリをモバイルデバイス上で使用し、申請を審査する時の情報を収集することができます。例えば、状況を写真に収めたり、顧客のデータ(保険証券番号や電話番号等)を記録したり、審査についてのメモを書いたり、企業のサーバーに情報をアップロードしたりすることができます。 経費申請をしたり、休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることもできます。 |
製薬会社社員 | 営業スタッフは薬局を訪問し、在庫の調査をし、推奨される量になるよう注文を取り、自社の在庫を確認し、店舗管理者と注文について確認・修正を行い、注文を確定させ、顧客情報管理システム(CRM)の情報を更新することができます。 経費申請をしたり、次回の訪問予定を確認したり、休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることもできます。 |
保守、修繕 | 保守・修繕スタッフは製品の修理手順や図解を参照(必要であればダウンロード)することができます。カメラを使用して壊れた道具の写真を撮り、最善の修理方法について、サポートやアドバイスを依頼することもできます。 訪問予定をチェックしたり、休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることも可能です。 |
小売店 | 販売員はタブレット(またはスマートフォン)を持ち、購入してくれそうな顧客の横に立ったまま、在庫や価格といった情報にアクセスすることができます。 勤務表を確認したり、休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることもできます。 |
営業 | 顧客を訪問する営業スタッフは、製品情報、在庫確認、発注、顧客情報の更新を行うことができます。 経費申請をしたり、休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることもできます。 |
卸 | タブレットを使用すれば、社員は固定の場所にあるデスクトップ・コンピュータに縛られる必要はありません。また、タブレットはノート型パソコン、ultra-book パソコンよりも管理が簡単です。納入・搬出される製品の配送スケジュールにアクセスしたり、倉庫内を自由に動き回れる自由を感じながら、在庫棚卸をすることができます。 勤務表を確認したり、タイムシートや休暇申請を提出したりといった社員サービスにアクセスすることもできます。 |